勉強法

一級建築士試験に2年で合格できる省エネ勉強法

どうも!一級です。みなさん勉強はかどっていますか?

先日、私は定期講習のため資格学校に行ってきました。学校の中の「きみはやれる!」や「スパルタ教訓!」の張り紙が目に入ってきて、あの頃の眠気と疲れが入り混じった人が集まる何とも言えない雰囲気を思いだしました。

学校に行かれていない方に簡単に説明すると、1級建築士の学校は単なる塾ではなく、簡単に言えば修行の場みたいなものです。みんな真剣。当たり前ですけどね。でも成績が壁に貼られているので、自分の立ち位置が分かります。そしてめっちゃ高いお金を払っているので頑張らないといけないのです。

「1級建築士」という資格は、2年で取るべき資格

その理由は、この試験はテクニックの資格試験だからです。1年目は右も左もわからなくて挑戦的な猶予があるとして、2年目には、1年目の知識があれば十分できる難易度の試験です。努力の試験といわれていますが、テクニックの試験です。テクニックの試験でなければ、センター試験みたいに似たような問題がでてこないでしょう。限られた知識を繋げたらとれる資格です。今はそう思ってみてください。少し舐めてるくらいがちょうどいいんです。まずは、テクニックと信じることから始めてみてください。努力って考えると果てしない感じがしますが、テクニックと聞くと何とかなりそうですよね!

自分も1年目は必死でした。テクニックなんか考えもせず、ただ詰め込んでました。とにかく詰め込みました。私は学科は26歳の時に初受験をしましたが26歳の建築やってる人間の知識なんて知れてます。大した事ありません。それに私は院卒だったので、学部卒で社会にもまれている人に比べたら設計の知識なんてありませんでした。法規もわからんし、施工?なんで?みたいな感じでした。

学校の成績は、試験3か月前までは最悪。ずっと最下位でした。周りのゼネコンのオッサンや建築のセンセみたいな人もいましたが、点は上位だったような記憶があります。3か月前に気づきました。このままやっても受からん…と。で、ある勉強法に切り替えました。(それは後日話します)

で、学科は逆転合格しました。しかし付け焼刃でやった製図は華麗に落ちました。ランク4でした。

そりゃ木造の40坪くらいの住宅の基本図程度しか描けない人間が受かるはずがありません。イラレやフォトショを使ったきれいなプレゼンなんか1mmも必要ではありません。多分ランク4の下の下だったと思います。6時間の製図をなっとかやった感がありましたが、資格をとる図面ではありませんでした。

「法規」と「構造」で高得点を取る

夜は帰りが遅くとてもじゃないけど時間が足りないので、「法規」と「構造」のみ勉強しました。学校での授業はまじめにやった上ですが。学校に行っていない人は、教材を一通りやった上の話ですが。

私の受験のころは4教科だったので、100点満点で75点当たりがボーダーでした。そのうち私は、法規24点、構造23点で2科目で47点取りました。あとの計画と施工で28点だから結果楽勝でした。(足きりはありましたが…)

今の試験は、法規と構造に重点が置かれている試験ですが、裏を返すとこの2科目さえ攻略すればあとはなんとかなります。125点満点の7割5分、つまり93点あたりが毎年のボーダーです。目標点を95点としましょう。法規と構造で55点とって、あとの計画・設備・施工で40点くらいとりましょう。(足きりはクリアするとして…)足きりは13/25点なので、なんとなります。そのプランでいいのです。

法規を勉強すると、設備や構造が分かります。計画は出題範囲が広すぎるので諦めましょう。学校の勉強若しくはもっているテキストを見るくらいでいいです。過去問だけでいいです。それで13点は取れます。

法規は持ち込みなので、法令集を引くことができれば取れます。というか法規は、ある程度までやると2~3択まで絞れます。そして、みっちりやると法令集を引かなくても取れます。私は、当日数回しか法令集を引きませんでした。めっちゃ書き込みをしていましたが使うことはありませんでした…笑。

構造は、意地悪な計算問題は飛ばすか鉛筆を舐めて適当でOK。それ以外は難易度は5教科の中で一番簡単だと思います。

この2教科のみを、ものすごく頑張るという方針で勉強してみてください。特に法規はこまかいところまでしつこく勉強する。理屈ではなく事実ですから。

後の3教科は過去問で勉強。解答と解説を見ながら答えのパターンを覚える。理屈なんて合格してから学んでください。

私は、ここで2年で受かる勉強法を教えます。理屈を完璧に理解して3,4,5年で受かるより、とりあえず2年で取っちゃって実務しながら学ぶ方がお金や時間の面から言ってもスマートです。

割り切る勉強法をお勧めします。

そして学科はこれから1年で受かってください。100%ではなく75%を目指せば受かります。計画や環境・施工の無駄な勉強をする時間があったら法規の問題を解いて力をつけた方がいいです。

エスキスを重視しない時間配分

私は製図の試験をするまでA2の図面を手で引いたことがありませんでした。やっても学校の実習でA1の図面をつくることくらい。A2の平行定規の使い方やテンプレートの使い方から入りました。

先に言っておきますと、製図は1年では無理です。受かればラッキーですが、多分スキル面で間に合いません。なので製図は2か年計画なのです。あの図面と記述を6.5時間で完成させるのはちょっとした経験が必要です。

学校では、エスキス2時間 ドローイング3時間 記述1時間 見直し30分と教えられます。

1年目はトレースだけで7時間くらいかかりました。ひたすら練習してトレースを4時間でできるまでになりました。試験までには4時間を切るくらいでしたが、実際の試験ではドローイングだけで4時間以上もかかりました。

そこで、また私は諦めました。

エスキスを1.0時間 ドローイングを3.5時間 記述を1.0時間 見直しを1時間 としました。

学校ではエスキスが一番大事と教えられます。そりゃそうです。実務だって構想が一番大事。コンセプトが大事です。でもね、これは資格試験。ゾーニングができるかできないかを見る試験です。だから快適性や独創性はいりません。

今から書く手順でやってみてください。きっちり利用者・管理者が分かれていればいいので2時間もエスキスしません。

①始めの15分で求められている面積の0.8掛けくらいでボリュームをつくります。(ぎちぎちでつくらないこと)

②容積率・建蔽率・集団規定だけをチェックしてきちんと整える。←このミスが一発NG

③0.8掛けの面積の中で諸元表をつくる。②には戻らない。

④利用者は北、管理者は南ぐらいの超メリハリがあるゾーニングをする。

⑤集団規定(致命的なミスとされる避難・区画をチェックする)

この5つでエスキスはOK。こまかいことはもうしない。気にしない。エスキス用紙もきれいに書かなくてOK。構造スパンは難しいことを考えず、7×8と決めておく。ポイントは難しい構造に絶対にしない。

製図はゾーニングができていれば受かります。少しくらい階段がおかしかったり、断面図に基礎を書いていなくてもOK。私は基礎忘れましたが受かりました。

そして肝なのが記述。これはとても重要です。記述は私はこだわりました。多分凄い方だと思います。私は解答用紙一杯に書きませんでした。多分半分くらい。でも的確に書きました。

多くの受験者は、日本語ができていないと思います。私は仕事でコンペやプロポーザルの提案書を書きますが、分かりやすい日本語はなにより重要です。でも日本語の勉強をする暇はないので、記述のノウハウはまた別に書きます。

解答用紙に、いらないことを書かずに、知っていることだけを正しい日本語で書けばOKなのです。

見直しの時間を1時間程度とる

そして、最後のポイントは1時間の見直しです。ここで合格に近づきます。集団規定の書き忘れを防止します。そして、採点者に私は分かってるよアピールをします。2方向避難は分かってかいてますよ!自然排煙の距離も大丈夫です!斜線なんか当たり前にクリアしてます!区画も当然理解してます。などなど。

植栽とかタイルとかそんな点景は必要ありません。多くの人はそこをはき違えてます。植栽とかタイルとか家具がなくても受かります。大事なのは、法適合とゾーニング、そこを採点者は見ています。

私は、柱、壁等の躯体以外はフリーハンドで書きました。図面の見栄えは悪かったかもですが試験の1時間前にすべて終わっていました。ゆっくり見直しができてたくさんのミスに気づけました。

製図の合格のポイントは時間配分です。エスキスは諦めてください。適当でOk。それよりもめっちゃ明確なゾーニングと制限時間内に法適合させる力があればOKです。

 

どうでしょう。長くなりましたが2年で受かりそうですよね。私は、勉強ができる方ではないですし、もともと建築士になろうと考えていませんでした。アトリエ事務所に就職して、技術屋は雇えばいい。そんなアフォな考えをしていました。そんな人間がポイントだけを絞って受かりました。これがベストな勉強法ではないと思いますし、建築士になる以上は、最低限の知識は必要です。

しかし、1級建築士という資格をとる勉強法としては、一つの答えだと考えます。勉強をする時間よりその後の時間の方が圧倒的に長いです。友達と遊ぶ時間や、恋人とデートをする時間、家族と過ごす時間をこれからとる方が、建築士として生きるためにも必要だと考えます。

それでは、あわてない、あわてない。

ひとやすみ、ひとやすみ。