製図

一級建築士試験の図面は70点台を目指せばOK

こんばんは!今日もお勉強を頑張っておられますか?一級です。

1級建築士の製図で、何枚書いたら受かりますか?という質問をよく聞きます。個人差…と言ってしまえば楽なのですが、目安は40枚くらい書いてください。40枚くらい書くと手の動かし方が早くなり、3時間もかからないうちにドローイングができます。

1年目は私は30枚くらいでした。練習でもほとんど3時間は切れずに本番を迎え、案の定本番で3時間30分以上かかった記憶があります。

2年目は50枚書きました。最後の20枚くらいは2時間30分くらいで図面を引いていました。すごく早くなりました。学科が終わって製図の試験までの約2ヵ月半で50枚を頑張ってみてください。

今日は2時間半で合格できる図面を描く作図のテクニックについてレクチャーします。(合格できる図面のノウハウは後日説明します)

合格する図面のポイントは大きく3つです。

①要求面積や諸条件をすべて満たしている

②法適合している

③ゾーニングが明快

この3つさえ満たしていれば、図面はある程度汚くても受かります。そして逆に言うとこの3つをクリアできていれば他はある程度できていなくても、受かります。この3つをクリアするためのヒントを書きます。

ボリュームを先に決めて、機能を詰め込むエスキス方法

容積率オーバーを避けて、大きな箱をイメージする

試験なので、基本解答はあります。なので、絶対に解ける問題なのです。諸室の要求面積を積み上げ、とりあえず1.5を乗じて仮定の延べ床面積を算定します。ここで大切なのは、とりあえず先にボリュームをつくることです。廊下やPS、そして若干の調整代を持たすために1.5を掛けます。

学校では施設によっては乗じる係数が1.4とか1.8とか言いますが、資格の試験の範囲ですと仮に1.5を掛けたのでOK。要求面積のオーバーは絶対にダメなのでとりあえず要求面積の8割から9割を目指します。

敷地の形にも因りますが、シンプルなスパン割の躯体を目指します。製図の試験はある程度の模範解答は想定されています。なので絶対にシンプルなもので納まるのです。角地緩和等の容積率の緩和規定を使わなければならないギリギリな計画は止めましょう。

基準階と2以上の直通階段を計画する

延べ床面積と大体の階数が決まったところで、基準階を計画します。以下に簡単なっ居室系の基準階の計画パターンを書きます。基準階さえうまく計画できれば、なんとでもなります。

介護老人保健施設:居室は基本的に南側配置。便所や倉庫等の非居室は北側配置。EVは中央配置。2以上の直通階段は東西に配置。居室数が多い場合は、居住条件を等しくするため東西に居室を配置してもOK。できる限り北側居室は止めましょう。しかしこの試験はゾーニング試験なので、南北で見た目がきれいに分けられたらそれでもOKです。

ホテル:試験と割り切って居室の配置のきれいさを優先させます。日中は利用客はほとんどいないので、採光を気にする必要は特にありません。採光上の無窓居室はNGですよ!!効率よく居室を詰め込んで階数をできる限り低くします。居室数が多くなり、廊下が長くなるので避難階段までの歩行距離、重複距離、消防進入口の計画に留意します

寮(学生寮・社員寮):最近の寮は、基準階には居室以外に、談話室や補食室、ラーニングコモンズ等のコミュニケーションを深めるような室が計画されてきています。これらの室は階段やEVの付近に計画し、利用者が使いやすくなるよう配慮する必要があります。

病院:病院の種類にも因りますが、基本的に居室は南北配置でOK。直射日光が入る南側より安定して明るい北側の方が療養環境としては優れているので、北側配置がよいと思います。病室は長時間過ごすので、西側配置はNG。西日がきついと嫌ですよね。

道路斜線や接道等の集団規定をまずクリアする

基準階を計画して、ある程度の建物ボリュームが決まったところで、建物の配置を検討します。前面道路からのアプローチの良さなど使い勝手は大切なのですが、まず道路斜線や接道をチェックします。建築士として斜線が当たってるのは本当にかっこ悪いです。かっこ悪いに違法ですが・・・。基準階で建物が高くなることが予想される場合は、特に注意しましょう。(本当は日影検討は必要だけれどもCADでないとなかなか難しいので、周辺の居住環境に配慮しながら配置します。)

避難・排煙・防火区画をクリアする

まずは避難!!。2以上の直通階段が要求される場合は、明確に建物にバランスよく配置しましょう。その時の避難経路や重複距離は図面に書く必要があるので、余裕を持った避難計画をまず初めに検討しましょう。

次に排煙。これは自然排煙が無理な場合は機械排煙にすることができますが、実施レベルではとてつもなくコストがかかるため、できる限り自然排煙がとれる計画としましょう。まだあまり排煙が理解されていない方は、とりあえず廊下や共有部にはできる限り窓を計画しましょう。